デジ一眼 高く掲げて 八景を撮る――大分〜耶馬溪・九重高原を走る
一目八景・仙人ケ岩 牧ノ戸峠から見る久住山


●深耶馬溪 一目八景の鮮やかな緑 

 2006年のGWに九州各県を巡った。大分へは5月4日の午後、大分自動車道から深耶馬溪に入り、山なみハイウエーを通って阿蘇、熊本へと抜けた。
 玖珠インターから30分山を越えること30分。周囲を若葉に囲まれた景勝地、深耶馬溪に到着する。いわゆる耶馬溪は、菊池寛の「恩讐の彼方に」の舞台で有名な青の洞門から続く本耶馬溪を始め、裏耶馬渓、奥耶馬渓に分かれている。
 このうち、深耶馬溪のハイライトは「一目八景(ひとめはっけい)」。海望嶺、仙人ヶ岩、嘯猿山、夫婦岩、郡猿山、烏帽子岩、雄鹿長尾嶺、鷲の巣山の8つの景色を一箇所に立って一目で見ることができるのでこう呼ばれている。渓流沿いの道路が土産物屋でにぎわっている。公営の駐車場は無料だが、展望台からは少し歩く。近くに停めるためには土産物屋の専用駐車場を利用すると便利だろう。
 一目八景展望台が設置されている。周囲を取り囲む高い山肌の上に尖塔のような岩が見られる。紅葉の名所であるが、若葉の緑に彩られた景色も鮮やかなものである。
深耶馬溪・緑の中の駐車場 展望台から見る一目八景 仙人ケ岩
        
渓谷と吊橋 烏帽子岩 渓流の岩 由布岳と湯布院の町を遠望

●久住と阿蘇の壮大な眺め

 深耶馬溪から玖珠ICに戻り、湯布院ICまで移動。やまなみハイウエーへと入る。夕方に差し掛かる時間帯で、阿蘇方面から湯布院・別府へと向かう車線は渋滞をおこしていたが、阿蘇へと向かうこちら側はすいていて快適だった。ただし、そのツケは阿蘇に入ってからの大渋滞で苦しむことになるのだが。
 現在のやまなみハイウエーは無料となっているが、黒川温泉など周辺に見どころの多いコースである。実は中学校・高校の修学旅行でこの道を通ったことがある。団体旅行の常として細かいところの印象はすべて忘れているのだが、この雄大な景色の印象は記憶に残っている。今また訪れても飽きることがない。
 長者原にさしかかると、久住山・硫黄山の噴煙が見えてくる。草原状の高原が広がる日本離れした景色である。
 牧ノ戸峠が一番の好展望の地点。駐車場から数分歩いたところにある展望台からは、北を見れば久住山と長者原、南は阿蘇山までが見られる。登山道の基点でもあるが、終始展望の良い山歩きができそうなコースであることがうかがえる。
長者原から見た硫黄山 牧ノ戸峠から久住山を見る 牧ノ戸峠展望台への道